1971年に有機農業研究会が発足し、第一次有機農業ブームが起こって以来、
1980年前後の“大地を守る会”や“ポラン広場”等の活動開始による第二次有機農業ブーム、
2001年の有機基準認証制度スタート及び
2006年有機農業推進法の制定といった第三次有機農業ブームを経て、有機農家は増え続けている。とはいえ、それは微増の枠にとどまっており、有機農業推進法により国内で有機農業を広めていくことになったとはいえども、予算規模は年間5億円程度と非常に小さく、どの程度の効果があるかは今のところ不明である。
有機農業の特性と市場原理が、かみ合いにくいところに大きな要因がある。多くの場合、
農薬や
化学肥料を使用しないと、虫食いや形の悪い農産物ができてしまう。そうすると販売先が限定される上、取引価格も低く抑えられることになる。あるいはまた、有機農業の内包する諸事情により収量のコントロールが困難であるため、収入が安定しにくい。以上のように、慣行農業より労力を要する有機農業に従事しても、相応以下の市場評価しか得られない現状は、有機農家が増える要因を阻害している。将来的に、有機栽培の技術面(特に農薬に頼らず病害虫を防ぐこと)の向上や、消費者の有機農業への理解が深まれば、有機農家は大幅に増加する可能性がある。