TAIの時刻を最も高精度に実現することは、時間を遡ってしか行なえない。TAIの時間間隔はTAIに参加している原子時計同士を定期的に比較することで定義されているからである。しかし、こういった較正は通常はナノ秒スケールの精度が求められる用途でしか必要ではない。ほとんどの時刻サービス利用者は複数台の原子時計で較正された時間間隔を過去に参照した原子時計から供給されるTAIのリアルタイム評価値を利用している。
GPSはTAIに裏付けられたリアルタイムの時刻源として広く使われている。
協定世界時(UTC)は世界中の法的な時刻の基礎であり、常にTAIと整数秒の差を持つ。
2009年1月現在、UTCはTAIから34秒遅れている。この差は
閏秒によって生じたものである。閏秒は
地球の
自転速度にわずかな不規則性があるためにUTCに定期的に挿入される補正である。TAIが連続的で安定した時間尺度であるのに対して、UTCは地球回転で定義された時間尺度である
UT1との差を0.9秒以内に保つためにわざと不連続になっている。大ざっぱに言うと、閏秒の補正をしなければ
太陽時の
正午(太陽がちょうど頭上最も高くなる時刻)が12時0分0秒からずれていってしまうことになる。UT1は
国際地球回転観測事業(IERS)によって計算されている。TAIの原点は
1958年1月1日0時0分0秒 UT2=1958年1月1日0時0分0秒 TAIと定義された。
UTCは不連続な時間尺度であるため、2つのUTCの時刻間の正確な時間間隔を計算することはその時間間隔の間に閏秒が何回挿入されたかを示す表を参照しない限り不可能である。そのため、複数年にわたる長い時間を正確に測定することが求められるような科学的用途の多くにはUTCに代わってTAIが用いられる。TAIは閏秒を扱えないようなシステムでも広く使われている。