1930年2月6日公開。製作した
帝国キネマの焼失や解散もあり、フィルムが紛失したまま「幻の名作」とされていたが、1993年8月に帝国キネマ社長山川吉太郎の孫山川輝雄の尽力で
モスクワ郊外の映画保管庫
ゴス・フィルム・ファランドに保存されていたのを発見(冒頭のクレジット部とラストは欠落)、ロシア側の厚意により日本に持ち帰った。1994年7月、大阪で封切りから63年振りに公開、斬新な映像で関係者から再評価された。終戦後
満州に攻め込んだソ連軍がこのフィルムを接収し、再編集の後にロシア語字幕をつけた言われている。(ロシア側は封切り時にロシアで公開されたフイルムと説明している。)
十四歳の中村すみ子は生活苦から親が自殺して孤児となる。叔父を頼っていくが逆に曲馬団(
サーカス)に売られてしまう。つらい日々の中、青年新太郎に恋心を抱くものの、団長の小川の虐待に耐え切れずに曲馬団を脱走する。その後
琵琶法師長谷川旭光の女中、
詐欺師の子分、議員秋山の女中と職を転転として辛酸を舐める。ようようにして再会した新太郎と結ばれるも、生活に追われた二人は切羽詰って心中をはかり、すみ子だけが生き残ってしまう。幸せも夫も何もかも失い、すがる思いでたどり着いた教会の施設天使園も園主矢沢の
偽善と不正に腐敗しきっていた。すみ子は絶望のあまり教会に放火する。警察に捕われ連行されるすみ子の姿に「何が彼女をさうさせたか。」の大きな字幕が写ってこの映画は終わる。