◆特徴
高性能な文法:
・新しい言葉を
[外部リンク][合成語|合成]することが手軽にできる。約1200あまりという
[外部リンク][語根]の数自体が自然言語におけるいわゆる常用単語の数と比べてはるかに少なく、それであって可能な総語彙数(最低でも144万語)が自然言語のそれをはるかに超える。
[外部リンク][同音異義語]は原理的に存在しない。合成語を構成する要素の一つ一つは本来の語根として確実に照応できるようになっている。つまり、僅かな語根を習得することで膨大な語彙を生成・理解できるようになる。
文化的に中立:
・当初の開発者および現在の話者達に一貫して、自己の文化的な背景に流れず努めて
[外部リンク][中立]を保つことが志されている。その現れの一つとして、従来の人工言語にはみられないほどに広範な
[外部リンク][語派]を源泉として独自の語根を創出したことが挙げられる。
・単数・複数、男性・女性、能動・受動といった文化特有的な識別に
[外部リンク][活用|言葉の形]が影響されない。これは、男性形を基本として女性形が派生されるという、自然言語に広くみられる
[外部リンク][男尊女卑]の意識を回避できるということでも有意義な原理である。数や能動関係の明示・非明示は話者の意志に委ねられる。先立つログランの目的がそもそも
[外部リンク][サピア・ウォーフの仮説]の如何を研究するための言語的基礎を用意することだった。言語は人の思考形態を左右する、というこの仮説にたいする肯定的な姿勢をロジバンは継承している。ときに閉塞的であったり不条理であったりする伝統と慣習を土台とする自然言語による思考の枷から離れて物事を理解し語ることの価値をロジバニストは認識する。
◆ 文法
◇概念
ロジバンの文法は人間の言語のものとしては無類の性格をしており、これを体系的に解説・把握するうえでは一般の言語学用語では間に合わない場合がある。ここでロジバン独自の概念をいくらか導入しておく必要がある。以下の表は、ロジバン文法に関する、ロジバン由来および英語由来の文法用語に、どのような日本語の文法用語が対応しうるかを示したものである。正規の日本語訳というものが定着していない。何らかの訳にたいする日本語話者の共通理解を準備するものとして暫定的な日本語を右柱に掲載してある。
:: * ロジバンには
[外部リンク][文法範疇]としての
[外部リンク][格]は存在せず、これに相当する語句の関係は place structure に内部化されている。文中の語順を変えるとき、この内部的な関係を維持するために該当語句に標識を付けることになり、この機能を日本語の格助詞になぞらえることができる。
brivla、ma'ovla、そして cmevla は、それぞれ異なる形態法則に基づいており、形からはけっして混同されないようになっている。ロジバンの形態論上の三品詞である。他言語と異なるのは、品詞型そのものが構文上の働きを決定しないということである。例えば英語の名詞はその品詞型ゆえに述語となることがないが、 brivla をはじめとするロジバンの三品詞は述語にも主語にもなる(後続の表を参照)。ただしこれは三品詞が文中においてどっちつかずの曖昧な存在であるということではない。構文上どのような振舞いをするかについては精密な統語論が設けられている。また、言葉の形が文法範疇に応じて変化することはない。よって、
[外部リンク][屈折]、
[外部リンク][活用]、
[外部リンク][ディクレンション]、
[外部リンク][格変化]などはロジバンとは無縁の概念である。
ma'ovla と cmevla という名称は、それぞれの語源である cmavo と cmene に略せる。むしろそちらの方がコミュニティにおける実際の使用率は高いといえる。 valsi は「語」を意味する。 brivla との語呂が合致して品詞関係を把握しやすくなることから valsi を加えた ma'ovla と cmevla を用いることが正規の解説では有意義となる。
ma'ovla には多くの下位分類がある。その一つ一つに分類名称(selma'o)が付いている。例えば attitudinal は UI という類名に属する。代表的な attitudinal である ui に由来している。このように各類名はそれに属する象徴的な ma'ovla が元となっている。広義では同じ UI 類でも、たとえば evidential と discursive はさらに UI2 と UI3 という具合に狭義化されている。これらの類名は本格的な構文解析やパーサ開発の中で求められた区分であり、普段の会話で重視する必要はない。同類の ma'ovla は同じ文法に従うため、学習の際の参考材料にはなる。例えば UI 類の用法を習得するということはこれに属する ma'ovla を既知・未知に関わらず全て正しく使えるようになるということである。以下は ma'ovla の分類をいくらか簡略化した表である: